「愛してるわ!」「その言葉、宣戦布告と判断する!」

「女は本能的な嘘の涙を持っている」
成田アキラ『テレクラ体験記』)
信平信子にもあるかも知れない。(泣いたか知りませんが、夫に泣いて訴えたか
も知れない)
弱い方=美しいほうが身を守るためとすれば責められないが。
涙で池田先生をおとしめるためなら新聞協会賞でも与えるのですね。
泣いた田中角栄は冷笑したのに、辻本は許す(落選中最高得票数)とは。
泣いた代議士は政治生命は終り!にしたい。

何度も痴漢行為で数十万円の慰謝料を取っている女子高校生がいました。
いったん事実無根を認めた前言を翻して、実事ありと言ってるらしいですが、
客観的に見て「本当にあったのよ信じて」と泣いて見せた方が有利。
少女の涙には『大魔神』でも動くのですからね。

明治時代、フランスに川上貞奴が行って日本の演劇を見せ好評であった。
当時の小咄。
「君は、日本の貞奴の芝居を見たか?」
「いや見ない、泣くのは見たけど」

覚悟のススメ』にはモンスター女が
「愛してるわ!」
「その言葉、宣戦布告と判断する!」「当方に迎撃の用意あり」
というやりとりがあります。
打算を鈍らし、闘争心を削ぎ、意を通す武器を軽視してはならない。

「愛ってなんだか言えないけれど、それでもわたしは愛している」
内田春菊『ファンダメンタル』より。
「説明しろ」といわれても、困ることはあるよね。
しかし「わかっている」というのは本来「相手が納得いくまで手を変え品を変
え表現を工夫して説明できるし、どんな形で表現されていても見分けることが
出来る」ということに相違ありますまい。
「人と違った表現が出来ないと何かを言ったことにならない」とまで言うと
禅宗みたいですが。

ちなみに「愛している」は「自分の言うことを聞け」の意ではないかと思います。

たとえば「ニュース週報」に「5人を殺した男に最高裁判決」が3行、
となりに「植草一秀女高生スカート覗き公判」が4行。
被告人の社会的地位の違い=ニュースバリューはあるにしても、殺人事件の加害者は涙を流し(想像)、
覗かれた少女も涙を流した(想像)ことによるものでないか。
ドライに考えて、植草被告が強大な権力を持っているわけでもなかろうから
重大犯罪と言えない盗撮の扱いが大きすぎないか。
(別に同情はしていませんが)
わたしは図書館の本を盗む方が重大犯罪だと思う。
あるはずの本がない、あれは腹立つね。

「万人のために一人は書き
一人(の読者)は万人の代わりに読む」という格言からすれば
図書館で一人の読書を奪うのは万人の迷惑です。
対策としては……本屋の商売を奪わず、ベストセラーを置かないことでしょう。

三島由紀夫は『建白書』で劣情をそそるのとセンチメンタリズムを煽るのは文学
のもっとも安直な二手段といっています。
前者はインターネットで横行していますが、
マスメディアはもっぱら後者を引き受け
アフリカの人死は軽く、イラクは詳細に報道したりするわけです。

法然が死後、全財産を譲った弟子は隠し子だったという説が最近あるとか。
「妻帯が可能なら貴僧はなぜしない」と言われてかわりに親鸞に妻帯させたとい
う伝説もありますが
「せぬは仏、隠すは上人」という法然の名言も意味深重。