第二芸術は池田先生、得意の真作

聖教文化面、『口語短歌の試み』香川ヒサ
 ぼくはただ口語のかおる部屋で待つ遅れて喩からあがってくるまで(加藤治郎)(『サニー・サイド・アップ』’87)*喩につかっているのは一般大衆*
 サバンナの象のうんこよ聞いてくれだるいせつないこわいさみしい(穂村弘)(『シンジケート』’90)*井上陽水の歌みたい*
 廃村を告げる活字に桃の皮ふれればにじみゆくばかり 来て(東直子)(『東原さんのリコーダー』’96)*子供にしか未来はない*
 りりあんを光のなかで編むように書いてしまった知らない手紙 (盛田志保子)
 わたしたち全速力で遊ばなきや 微かに鳴つてゐる砂時計』 (石川美南)
 この夜がこの世の中にあることをわたしに知らせるケトルが鳴るよ (佐藤りえ)
 真夏昼影は真下に落ちてゐてあとは残らず日なたであった (佐藤理江)
 ふるさとは山のあなたの空遠く 今も生家に住んでいるのに (松木秀)
筆者は「自分の思いを表すというのは実は自分自身を了解することであり、他者を理解することでもある」という。誰かさんの自画自賛身内褒めオカルトの世界みたいな五七五は誰がつくっているやら。